ドーナツアンプとトスカスピーカー

少し変わった君が、ソレをみんなに届ける話。

メテオラ

朝7時。とても健康的な時間に目が覚めたな。と思い、

二度寝もできそうもなかったので起きることにした。

 

目覚めの日課。キッチンに行って水分を補給し、タバコに火をつける。

少しずつ細胞を動かす。

アプリのゲームをポチポチする日が多いのだが、

その日はニュースアプリを開いた。

 

Linkin Parkのボーカル、Chesterのこと。

 

網膜が殴られた気分だった。

 

もちろん、これまでにもこういうことはあった。

でもチェスターは僕の中では少し特別だった。

 

Linkin世代だった。ということもあるが、

働いていたレストランに来店した時の彼の対応は神だった。

プライベートで来ている彼に多くの人が声をかけた。

彼は笑顔で丁寧に対応していた。

バーで酔っ払った客の一人は不機嫌に

「お前、リンキンなんちゃらってバンドの野郎か」

何がロックスターだ。と吐き捨てた態度で。

チェスターはそんな酔っ払いにも笑顔で接していた。

「そうなんです。まだまだ頑張らないといけないんですけどね」

 

謙虚な人だった。

 

僕はタイミングを見計らって

「写真を一緒に撮って欲しい」とお願いしてみた。

チェスターは「みんなにバレないように、僕が外に出た瞬間に一緒に外に出て来て」

と小声で言って、口に人差し指を当てるジェスチャーをした。

 

ケータイにカメラがまだついていない時代。

ラッキーなことにお店にはポラロイドカメラが常に置いてあった。

 

僕にとっては有名人との初めての写真だった。

 

それがChesterで本当に良かったと思い続けている。

 

 

 

 

昨日、ビカクが電話をくれた。

単調な僕の「もしもーし」の後に発せられたビカクの一言は

「チェスター…」だった。

ああ。

心配してくれたんだ。

 

僕がチェスターの神対応っぷりに感動したこと

今まで会ったセレブレティーの中で一番ナイスだったこと

その写真。

 

さしづめ、チェスターのことで僕が落ち込んでると思って連絡をくれたんだと思った。

 

自分でも不思議なもので、チェスターのことで涙が流れることはなかった。

彼の苦悩を考えると胸が締め付けられることはあったけど。

 

ジョンがレッチリから抜けた時に涙した僕が

チェスターのことでは無水だったのは自分でも不思議だと思う。

 

多分、チェスターの残してくれた作品や

彼が僕に与えてくれた青春ってやつは

まだ生き続けるからなんだと思う。

 

そんなに簡単にいなくならない。